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2007-06-21: ルールに合わせて組織が動く
担当者 Mihoko Otake  登録日時 2007-10-08 00:02 (2171 ヒット)

日時:2007年6月21日(木) 16:20-17:50
場所:東京大学駒場キャンパス
講義:全学自由ゼミナール「サービス創造ワークショップ」第九回
講師:大武美保子
所属:東京大学人工物工学研究センター
テーマ:ルールをつくる
タイトル:ルールに合わせて組織が動く
書誌:大武美保子,ルールに合わせて組織が動く.サービス創造ワークショップ要旨集, vol.1, pp.9, 2007.
(本発表ならびに本要旨について引用する際は、こちらをご利用ください。)

要旨:
ルールは、ヒトと社会、その間にある組織を動かす上で、とても効果的な方法です。サービスは、ヒトが提供している限り、はじめは作ったヒトに左右されます。この後、サービスをルール化することで、仕組みとして回転し続けることができます。従って、サービスが完成形に近づき、これを永続性を持った形で提供したい時や、サービスを半強制的に普及したい時に、ルールを作ることは、有効な手段となります。ルールを作ることで、ルールを施行するサービスや、ルールに適合する新しいサービスが生まれます。むしろ、そのようなサービスが生まれるように逆算して、ルールを作る場合があります。環境マネジメントシステムがそのよい例です。
 環境マネジメントシステム(EMS)は、企業などの組織において、組織活動にともなう環境への影響を継続的に改善していく仕組みです。国際標準化機構(International Organization for Standardization: ISO)では、1996年以降、ISO規格14000番台シリーズ、特に、ISO14001「環境マネジメントシステム−仕様及び利用の手引き」が発行されました。ISOの規格に適合しているかどうかの判断(適合性評価)は、ISO自らが行うわけではなく、適合性評価を行う者として適当であるかを判断する、認定(Accrediation)機関というものが各国に一つずつ設けられていて(日本では(財)日本適合性認定協会JAB)、その認定をうけた認証(Certification)機関(ISO14001の場合、日本には約40団体)が個別に業務として適合性評価、認証行為を行うことになっています。すなわち、認証機関と、認証機関を認定する機関、二種類の組織が存在します。
 ISO14001が制定された後は、審査機関、コンサルティング会社、資格認定機関、審査員育成機関などの組織、環境プランナー、環境カウンセラー、環境マネジメントシステム審査員などの資格が生まれました。また、ISO14001を取得している組織の方が環境に配慮した活動を行っていると消費者から評価され、選ばれるようになり、結果として環境に配慮した組織活動が普及することとなりました。


【第九回レポート課題】
興味があるルールについて、どのような問題を解決しようとして作られたもので(目的)、どのような内容であり、そのルールが作られた経緯(起源)と、その後の影響(歴史)はどのようなものであったかについて、まとめて下さい。あわせて、なぜそのルールに注目したのか、理由を述べてください。国際的なルールであっても、身近なルールであっても、どちらでも結構です。

【第七回レポート発表】
安田龍矢 ネットワークを作る〜参考例から見た条件とコツ〜


参考文献・ウェブサイト:
(話題提供)

財団法人 日本適合性認定協会
http://www.jab.or.jp/

財団法人 日本適合性認定協会 ISO14001とは
http://www.jab.or.jp/mas/06.html

東京都廃棄物埋立管理事務所公式ウェブサイト ISO14001活動
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/tyubou/tyubou08_data/data10_iso.htm