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2005-12-13: ヒトセミナー(13)-3
担当者 OtakeM  登録日時 2006-04-12 23:40 (3753 ヒット)

日時:2005年12月13日(火)14:00-15:00
場所:駒場キャンパス 情報教育棟
発表者:宮崎美智子
所属:東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系 博士課程三年(発表時)
タイトル: 幼児における遅延自己映像の認知
キーワード: 自己認知、幼児、遅延視覚フィードバック、随伴性の検出

書誌:宮崎美智子,幼児における遅延自己映像の認知.ヒトセミナー要旨集, no.13, pp.3, 2005.
(本発表ならびに本要旨について引用する際は、こちらをご利用ください。)

要旨:
ヒトは1歳半から2歳ごろ,自己映像を自分であると認めることができる(Anderson, 1984).たとえば子どもに気づかれないように顔の一部に口紅やシールなどのマークをつけて鏡の前に立たせると,自己鏡映像だけを手がかりに自分の顔についたマークに触れることができる.しかしその能力を発現させる要因は明らかでない.そこで私たちは自己映像認知を可能にする要因のひとつとして,自己映像と身体運動との間の時間的な随伴関係を検出する能力に着眼し,随伴性の検出能力が自己映像認知に関与する可能性をヒト幼児を対象とした実験によって検討した.具体的には映像遅延装置を使ってライブ映像にわずかな時間的遅延を挿入することにより,自己映像と身体運動との間の時間的な同時性を操作し,2歳から4歳児におけるマークテスト達成に及ぼす影響を検討した.実験1では2秒・1秒の遅延がマークテスト達成に及ぼす影響を検討し,実験2では遅延映像の経験がマークテスト達成に及ぼす影響を検討した.一連の実験によって2秒遅延自己映像呈示下では3歳以下の幼児は自己認知に困難を示すが,それは一定の遅延映像の経験を積むことによって克服できるという結果が得られた.これらの結果から自己映像と身体運動との時間的な随伴関係を検出する能力が自己映像認知に貢献することが示唆された.

参考文献:
Anderson, J. R. (1984). The development of self-recognition: a review. Developmental Psychobiology, 17, 35-49.
Gallup, G. G. (1970). Chimpanzees: Self-recognition. Science, 167, 86-87
Lewis, M., & Brooks-Gunn, J. (1979). Social cognition and the acquisition of self. New York: Plenum Press.
Povinelli, D. J., Landau, K. R., & Perilloux, H. K. (1996). Self-recognition in young children using delayed versus live feedback: Evidence of a developmental asynchrony. Child Development, 67, 1540-1554.
van den Bos, E., & Jeannerod, M. (2002). Sense of body and sense of action both contribute to self-recognition. Cognition, 85, 177-187.
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